『日本の生産性が低い理由は…』…ビジネスモデル・分散・安売り、現場ではなく、概ね経営の問題です。

■日本の生産性は著しく低く、先進国の中では最下位レベルで
す。

◆2017年、日本の生産性に関する主要なデータは以下です。
1.日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟36カ国中20位。
2.日本の1人当たり労働生産性(就業者1人当たり付加価値)は
  OECD加盟36カ国中21位。
3.同年の日本の時間当たり実質労働生産性上昇率は+0.5%。 

※公益財団法人日本生産性本部『日本の労働生産性の動向2018』
 からの引用です。
○「2017年度の日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、
 OECD加盟36カ国中20位。OECDデータに基づく2017年の日
 本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、
 47.5ドル (4,733円/購買力平価(PPP)換算)。米国(72.0ドル
 /7,169円) の3分の2程度の水準に相当し、順位はOECD加盟
 36カ国中20位だった。名目ベースでみると、前年から1.4%
 上昇したものの、順位に変動はなかった。主要先進7カ国でみ
 ると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続い
 ている。」
○2017年度の時間当たり実質労働生産性上昇率は+0.5%。
 上昇率は2015年度から3年連続でプラスとなったものの、前
 年(+1.0%)より0.5%ポイント落ち込んでいる。実質経済成
 長率(+1.6%)がプラスであったことや労働時間の短縮(-0.2
 %)が労働生産性を引き上げたものの、生産性低下要因となる
 就業者の増加 (+1.4%)が1995年以降で最も高い水準となっ
 たことが影響した。
○2017年の日本の1人当たり労働生産性(就業者1人当たり付加
 価値)は、84,027ドル(837万円)。ニュージーランド(76,105
 ドル/758万円)を上回るものの、英国(89,674ドル/893万
 円)やカナダ(93,093ドル/927万円)といった国をやや下回る
 水準で、順位でみるとOECD加盟36カ国中21位となっている。」

■低生産性の原因と対策は…

◆低生産性は現場の問題ではなく、マネージメント(経営)の
 問題です。
低生産性の解決策を、個人の仕事のスピードアップや業務効率
の改善に求めるのではなく、会社全体のシステムの問題として
とらえるべきでしょう。低生産性の原因は、現場ではなくマネ
ージメントの問題です。この認識が必要です。

◆生産性向上のための対策は…

1.ビジネスモデルを転換する、効果は◎です。
容易ではありませんが、より単純(Simple)で高収益(Profi
table)なビジネスモデルに転換出来れば、その生産性は格段
に向上します。これこそ社長の仕事です。惜しみない勉強が
必要です。

2.業務を減らす、効果は○です。
仕事を棚卸してください。思い切って業務を20%やめましょう。
業務を減らせば仕事は減ります。業務を減らすためには、業務
そのものを棚卸するだけでなく、過剰な品質になっていないか
どうか、業務内容も検討してください。業務が過剰品質になっ
ているケースも少なくありません。
※やめることを探してください。上手にやろうとするのではな
  く、思い切ってやめる、この決断が必要です。

3.その他、あらゆるものを減らす、効果は○です。
提供するサービスや商品、不採算顧客等、あらゆるものを棚卸
する必要があります。聖域を設けずにあらゆるものを対象にし
て、選別して減らすことを考えてみましょう。
※不要なモノがたくさん混在しています。悪の根源はこれらの
 不要なモノです。

4.値上げする、効果は○です。
単価を5%上げることができれば、生産性は5%向上します。
一律の値上げは乱暴ですが、不採算商品や不採算顧客に対する
値上げは有効です。減収の覚悟も必要ですが、案外値上げが通
ることもあります。重い判断になりますが、選択肢として排除
すべきではありません。

5.過度なサービスをやめる、効果は○です。
メニュー表にない+αのサービスを、しかも無償で担当者が提
供し続けているケースは少なくありません。これも棚卸して顕
在化させてください。サービスの必要性を担当者個人の裁量に
委ねるのではなく、経営として判断してください。必要なら正
式に行う、不要なら会社としてやめる…判断してください。
※無償サービスを会社として容認し続けるロスは、担当者個人
の負担として、その担当者を直撃します。退職につながるケー
スが多いです。

6.生産性を管理する、効果は○です。
部門ごと、出来れば担当者ごとに、その生産性を把握できる指
標を設けて管理してください。部門、出来れば担当者ごとの実
績を把握し、目標を決めて、継続的に管理することは大変有効
です。
※担当者個人を責めるための管理ではありません。生産性を改
善させるため・個人の負担を軽減させるための管理です。

7.業務のスピードを上げる、効果は△です。
同じことを10%早くやれば、確かに生産性は10%向上します。
確かに重要ですが、精神論・根性論に終焉しがちです。マネー
ジメントとしての対策(上記の1~6)を進めながら、並行し
て取り組んでください。

◎1~6はすべてマネージメント(経営)の問題です。低生産
性の原因は、現場の問題ではなく、すべて経営の問題なのです。

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