外国人が会社設立するポイント

(1)定款作成上の記名押印、公証人の定款認証手続の場合のポイント

株式会社を設立する際、発起人は定款を作成し、記名押印します。
押印については、実印で行う必要があります。

また、公証役場での定款認証手続きを行う場合は、印鑑証明書を添付します。
実印での押印、印鑑証明書の添付については、すでに日本に滞在し外国人登録をし、印鑑登録している外国人の方は、日本人と同様に印鑑証明書が取得できます。

そのため、何も問題にはなりません。

これに対し、海外に住んでいる外国人の方を出資者や取締役として参加させる場合は、注意が必要です。

この場合は、実印の押印の代わりに本国官憲の証明する印鑑又はサインが必要になります。

※発起人とは出資者のことを言います。

(2)代表取締役について

株式会社を設立する場合、代表取締役のうち1名は、日本に住所を有することが必要です。
以下に、取締役の人数に応じての対処法をご紹介します。

ケース

対処法

一人取締役の会社の場合
取締役は日本に住所を有することが必要になります
複数の取締役で、取締役会は設置しない会社の場合
取締役は各々代表権を持つので、その複数の取締役のなかで、一人が日本に住所を有することが必要になります
複数の取締役で、取締役会は設置しないが、代表取締役は選定する会社の場合 代表取締役は、日本に住所を有することが必要になります
取締役会設置会社の代表取締役 代表取締役は、日本に住所を有することが必要になります

(3)資本金の払い込みのポイント

会社の資本金の払い込みは、発起人の口座に入金や振込みをする必要があります。
払い込みを行う金融機関については、金融庁の設置認可した銀行(金融機関)であることが必要です。

本国の銀行が、金融庁から設置認可を受けている日本の支店を設けていて、その支店に口座をお持ちの場合は、その支店の口座に振り込み、証明書を作ることができます。

しかし、日本に支店の無い銀行の場合は、その銀行の口座では証明書を作成することができません。
また、払い込みは円で行わなければなりません。

ですので、口座が円建ての預金口座であれば問題ありません。
しかし、円貨建て以外のドルやユーロ等の預金口座の場合、振り込みする当日の為替レートで円換算にした振込み金額が、引き受けした出資金額を上回らなければなりません。

外国人の方が日本に会社を設立する場合は、日本人が会社設立する場合より、手続きが増える可能性がありますので、注意が必要になります。


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